私の両親は新宿で飲食店(お好み焼屋)を30年以上営んでいます。
飲食店ですから、当然土日祝日も仕事。
夏休み、正月もほとんど休みなく働いていました。
私自身も子供の頃に家族で遊園地、旅行に行ったという記憶はほとんどありません。
そんな親の背中を見て育ったこともあり、両親のように真面目にビジネスに取り組む人をサポートできるような仕事がしたいと漠然と感じていました。
ただし、大学卒業時にはそうした思いを抱きながらも一般企業に就職しました。
といっても、私が就職活動をしていたのは、就職氷河期と言われる超就職難の時代。
20社以上の面接に落とされ続け、就職した会社でも目標を見いだせないまま日々を過ごしていました。
(今思えば、その会社で学んだことが大きく活きているのですが。)
そんな時に、ふと思い出したのが、我が家を毎月訪問していた税理士の先生の存在です。
真面目にコツコツと働き、30年以上も飲食店を続けてきた両親ですが、帳簿整理は大の苦手。
そんな両親をサポートして頂いていたのが、税理士の先生でした。
両親のような真面目にビジネスに取り組む中小企業経営者のサポート。
私の希望にぴったりの仕事を見つけたのです。
そこからの決断は早く、簿記知識ゼロからのスタートでしたが、3年間猛勉強で税理士試験に合格。
国内最大規模の税理士法人で様々な業務経験を積んで、開業するまでに至りました。
私は、非常に幸福な人間だと思います。
自分のやりたい仕事、誇りを持てる仕事に就き、周囲の方々の応援もあって開業することまでできました。
税理士という職業は、私の両親のようなビジネスに真面目に取り組む人をサポートすることができます。
そして、時にはお客様から感謝されることもある素晴らしい職業だと思っています。
しかし、世間での税理士のイメージはイマイチという感じだと思います。
私の恩師である会計士の本郷孔洋先生が言った印象に残る言葉があります。
「税理士が主人公のドラマを見たことがない。」
確かにその通りかもしれません。
弁護士が主役のドラマは多くあります。
でも、ドラマや映画に出てくる税理士は、うだつの上がらないメガネをかけた人、ひどい場合は、脱税指南役でしょうか。
世間的には、ぱっとしないイメージかもしれませんが、私自身は、少しでも業界のイメージを向上させたいと思っております。
私には、二つの目標があります。
ひとつは、両親のような真面目にビジネスに取り組む人をサポートする、ということ。
もう一つは、税理士がドラマの主人公になる時代がくるように業界のイメージをアップさせたい、という大きな目標です。
微力ではありますが、そんな時代がくるよう、一人でも多くの中小企業経営者をサポートしたいと思っております。
長い文章でしたが、最後までお読み頂き、ありがとうございます。